牛久市 ひたち野東 えのもと皮ふ科 一般皮膚科 湿疹 アトピー かぶれ ニキビ いぼ 女性医師

TEL:0298711000

一般皮膚科

その場限りではない親身な診療

イメージ

当院では皮膚疾患全般にわたる診断と治療を、基本的に保険診療にて行います。
通いやすいような雰囲気作りに努め、地域にお住まい・お勤めの皆様の皮膚科“かかりつけ医”でありたいと考えております。小さいことでも構いませんので、お困りのことはお気軽にご相談にいらしてください。丁寧な説明を心掛け、その場限りではない親身な診療をいたします。

皮膚を通して全身を診療

「皮膚は内臓を映す鏡」とも申します。皮膚は内臓を包み込んでいる大きな袋のようなものですから、内臓・諸器官の発するサインが表れることがあります。内臓をはじめとする体内の状態や血行、ホルモンバランス、疲れやストレスなどが複雑に絡み合い、皮膚症状として現れてくることが少なくありません。
小さな皮膚病変を検査しているうちに、思わぬ内科的疾患が見つかるケースもありますので、皮膚の異常が見つかりましたら、早めに受診してください。

皮膚のことなら何でもご相談ください

見える部分に現れる皮膚の症状、日ごろのスキンケアの悩みや乾燥肌、肌荒れなど、お気軽にご相談ください。

健康的な生活を送ることが基本

皮膚は体を覆う一番大きな臓器です。皮膚は内臓や代謝の働きによってその機能が保たれているので、体の状態を表す鏡と呼ばれます。病気が見つかることもありますし、病気でなくても日常の体の状態も映し出します。したがって、皮膚疾患の中には、日常生活の過ごし方が大きな影響を与えるものが少なくありません。脂っこいものや甘いものを食べ過ぎたり、睡眠不足やストレスフルな生活を送ったりしていると、皮膚トラブルを招きやすくなります。
栄養バランスのとれた食生活をし、十分な睡眠をとり、適度な運動を心掛けましょう。ストレスを溜め込まないよう、上手に気分転換を図ることも大切です。また、紫外線を過剰に浴び過ぎることも皮膚ダメージにつながりますから、日傘や帽子をうまく利用して日焼け対策を講じることも大切です。
このような健康的な生活を送ることが、皮膚疾患の予防と治療にとても良い影響を与えるのです。

保湿剤によるスキンケア

スキンケアの基本は、きれいに洗うことと、必要な油分や水分を補う(保湿する)ことです。健康な肌には、角層(皮膚の一番外側)による「バリア機能」が備わっており、水分の蒸発や外部からの刺激を阻止し、皮膚を守っています。しかし、皮脂や天然保湿因子(NMF)、角質細胞間脂質(セラミド)などの皮膚内の水分を保つ物質が不足すると皮膚が乾燥し、微生物や化学物質、紫外線、摩擦などによる刺激を容易に受けるようになってしまいます。これらの変化をすぐに中から変えることは難しく、保湿剤によるスキンケアがとても大切です。

保湿剤の使用にあたっては、皮膚がやや湿っている時に塗るのが効果的なので、例えば入浴後5分以内に塗るのがお勧めです。塗る際には、手のひら全体を使って、やさしく丁寧に広げましょう。

皮膚の主な疾患

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、痒みのある湿疹が体や四肢に左右対称にできる慢性的な皮膚疾患で、良くなったり悪くなったりを繰り返します。皮膚症状が、年齢によって変化するのも特徴的です。また、小児のアトピー性皮膚炎の多くは大きくなると軽快します。
アトピー性皮膚炎の原因は、皮膚が乾燥しやすい素因(ドライスキン)とアトピー素因(アレルギーを起こしやすい体質)などの遺伝的な体質に加え、環境的要因が影響して発症すると考えられています。症状の出現、強さには、これらの体質に加えて、ライフスタイルやストレス、疲れ、食生活など様々な因子が影響します。

アトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎の治療において大切なのは薬物による治療と日常生活を整えることです。体の皮膚全体で起こっている炎症を抑えるには適切な薬物療法が必要ですが、体にいいことを増やし体に悪いことは減らしていく、つまり健康的に過ごすということなりますが、これらをしっかり続けていくことで薬物を減らせる方はたくさん経験します。
アトピー性皮膚炎の治療で大切なのは塗り薬です。これには、保湿剤、ステロイド外用薬、ステロイド以外の抗炎症外用薬があります。これらの薬剤を適切に使うことで、症状を早く改善し、良い状態を維持することが可能になります。
外用薬だけではかゆみが収まらないときには、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン剤、短期間のシクロスポリン(免疫抑制剤)の飲み薬を使用することもあります。
また、注射の治療薬であるデュピルマブ(デュピクセント®)、ネモリズマブ(ミチーガ®)、トラロキヌマブ(アドトラーザ®)、JACK阻害剤(リンヴォック®、オルミエント®、サイバインコ®)の飲み薬の治療が新しく登場し、早期にかゆみを抑え、かゆみが出にくい皮膚の状態まで改善することができるようになりました。アトピー性皮膚炎治療の歴史の中で大きな変革といえます。
どの薬をどのように組み合わせ、どのくらいの量を使うかは、患者様個々人の皮膚の状態をよく見たうえで判断します。塗り方、塗る場所、回数、使用期間などについての指示はきちんと守りましょう。
これらの薬剤で皮膚の性質やアレルギー体質などすべてを変えることはできませんが、現在の強いかゆみや皮膚症状を治すことは繰り返さないためにはとても大切なプロセスです。
アトピー性皮膚炎は一般的に経過が長いものですので、日常生活や季節の影響を受けて悪化と軽快を繰り返しますが、できるだけ定期的に通院していただき、皮膚症状が悪化したときにできるだけ早く対処しながら皮膚がよい状態を維持できるように、上手に付き合っていけるようにしましょう。

接触皮膚炎(かぶれ)

皮膚に直接触れたものが原因となって起こる炎症や湿疹を接触皮膚炎(かぶれ)と言います。原因が明らかな場合は通常、例えば「うるしかぶれ」など、原因物質の名前を頭に冠して称されます。
原因が明確でない場合は、「パッチテスト」や血液検査によるアレルギー検査を行います。パッチテストとは、原因と思われる物質を皮膚に貼りつけて反応を見る検査です。原因物質(アレルゲン)がわかったら、まずはその物質が含まれるものに接しないようにします。短期的にステロイド外用薬を使用し、痒みが強い場合は抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を用いて治療します。

湿疹

湿疹は、皮膚科を受診される患者様に、とても多く見られる症状です。ブツブツや小さな水ぶくれ、赤みなどが混ざって現れ、痒みも伴いがちです。
原因として考えられるものには、自己免疫(自分自身に対する免疫反応)やアレルギー、薬剤、ウイルス、皮膚の「バリア機能」が外部からの刺激に負け炎症を引き起こすことなどがあります。
湿疹は痒みを伴うことが多いため、ついつい掻いてしまいがちです。しかし、掻いて改善することは無く、むしろ掻くことによって患部を掻き壊してしまい、化膿や悪化を招き、患部が拡大してさらに痒くなる――という悪循環に陥りがちです。まずは痒みや炎症を抑える薬を上手に使って、こうした悪循環を断ち切る必要があります。 また、湿疹は、慢性化すると治りにくくなりますので、症状がしばらく続くようなら、早めに皮膚科を受診しましょう。

じんましん

じんましんは、蚊に刺されたような紅斑や地図状の紅斑がでて、多くは強いかゆみを伴い、数分から24時間以内に消えて、出たり消えたりします。
4週間以内に治るものを急性じんましん、それ以上の期間にわたって断続的に発症するものを慢性じんましんと呼びます。
じんましんの原因は、食べ物や内服薬、細菌やウイルスの感染など様々で、原因が特定できないことが少なくありません。ただし、重症なアレルギー反応(アナフィラキシーショック)につながる食物アレルギーが隠れていることもあり、じんましんが出現した状況をよく分析することが大切です。
じんましんの治療には、抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤などを使います。飲み薬が治療の中心です。薬を内服すれば、多くの人は数日で症状が治まりますが、慢性蕁麻疹の場合には医師の指示に従って飲み薬を続けて、徐々に減らしていきます。

乾燥肌(乾皮症)

皮脂および汗の分泌が減少して、皮膚が異常に乾燥している状態を乾燥肌(乾皮症)と言います。症状としては痒みが強く、特にお年寄りの下腿・大腿・わき腹によくみられます。湿度が低下する冬季に多くなる傾向があります。
原因としては、皮脂の欠乏によって皮膚のバリア機能に障害が起こり、皮膚表面からの水分の喪失が増えるため、皮膚が過敏になって、痒みが生じます。
住環境や入浴時間・湿度、石けん類の使用、こすり過ぎなどのライフスタイルも関係してきます。
乾燥肌の治療としては、皮膚の乾燥が基本にあるため、まずは皮膚のバリア機能を回復させるためのスキンケアが重要です。入浴後は、皮膚がまだ乾かないうちに、保湿剤を広く、十分に塗ると良いでしょう。皮膚炎を起こしている部分には、弱いステロイドの塗り薬を併用すると、より効果的です。痒みのせいで寝つけないような場合は、痒み止めとして抗ヒスタミン薬を内服します。

いぼ(ウイルス性疣贅、尋常性疣贅)

いぼは、ヒトパピローマウイルス(ヒト乳頭腫ウイルス)が皮膚のごくわずかな傷から侵入して感染し、硬く盛り上がったり、ウオノメのようになります。
手や足の裏にできることが多く、痒みや痛みなどの自覚症状はほとんどありませんが、いじるとうつったり、どんどん増えていくことがあります。

いぼの治療法

皮膚科でのいぼの治療には、液体窒素療法(冷凍凝固療法)、電気焼灼法、内服療法、外用療法などがあります。個々の患者様に最も適していると思われるものを選んで治療は行われます。
なお、どの治療法によっても、多くの場合、1回の治療で治し切ることは難しく、何回か繰り返して除去できるのが普通だということも知っておいてください。2~4週に1回程度通院していただいて治療しますが、完治を急がない気持ちが大切です。

年齢とともにできる「いぼ」

一般的に皮膚にできる「いぼ」と呼ばれるものはウイルス性いぼと、年齢とともにできるいぼがあります。年齢とともにできるいぼは、お顔の少し厚みのあるようなシミであったり、くびに小さなブツブツとして出たり、体にシミのような色素沈着ができるといった形が多くみられます。これらは、膨らみをウイルス性いぼと同じように、液体窒素療法(冷凍凝固療法)、電気焼灼法も効果があります。色素沈着に対しては、レーザー治療も効果的です。

たこ・うおのめ

たこやうおのめは、足の特定の場所に継続的に圧力がかかることによって発症します。
たこは皮膚が常に圧迫や擦れなどの刺激によって分厚くなるものです。うおのめとの違いは、芯のようなものがみられないことが挙げられ、多くは痛みがありません。
うおのめは足の裏や足の指にできる硬結で、芯のようなものがみられます。歩くたびに刺激されて痛みを伴うのが特徴的です。

たこ・うおのめの治療

たこもうおのめも、分厚くなった角質を削ったり切ったりして治療していきますが、同じような環境が続けば2~3ヶ月くらいで多くは再発してきます。足や靴の形、歩行の仕方などが圧迫の原因となっており、窮屈な靴を履かないようにすることが大切です。
さて、足の裏によくできるものに足底疣贅(そくていゆうぜい)という一種のいぼがありますが、これをうおのめと勘違いすることがあります。しかし、これはいぼウイルスによるものであり、知らずに削ってかえって広げてしまうこともありますので、この鑑別をきちんとつけるためにも、皮膚科への受診をお勧めします。

ほくろ

ほくろは、正式には色素性母斑と言い皮膚の一部にメラノサイトという細胞が集まってできたものと、黒子と言いメラニンのみが多く産生されているものがあります。
治療はレーザーや外科的治療が必要です。場所や大きさ、年齢、治療後の状態など総合的に考慮しながら治療方法を決定します。
また、ほくろは皮膚悪性腫瘍、特に悪性黒色腫(メラノーマ)という皮膚がんとの鑑別が大切です。気になるほくろが見つかったら、早めに皮膚科を受診しましょう。

ニキビ(尋常性ざ瘡)

ニキビの直接的な原因は、皮脂(皮膚のあぶら)の過剰な分泌と毛穴の詰まりです。ホルモンバランスの乱れ、不規則な生活、睡眠不足、紫外線、ストレスなど、様々な要因が複雑に絡み合って、過剰に分泌された皮脂が毛穴に溜まり、面皰(めんぽう)という状態になります。この毛穴に溜まった皮脂を栄養源にして、ニキビの元となるアクネ菌は増殖していき、赤みや膿などの症状を招きます。
思春期は女性ホルモンや男性ホルモンの性徴期によって毛穴が詰まりやすく、ニキビができやすい時期です。毛穴のケアや塗り薬を使うことでキレイに治るように早めに対処しましょう。触ってつぶしてしまうのは、炎症をさらに強くし、瘢痕の原因になるので避けましょう。大人のニキビでは不規則な生活や睡眠不足、ストレスの影響が大きくなるといわれていますので、メイクをきれいに落とすことや保湿をするといったスキンケアと、十分な睡眠、ビタミンミネラルを十分にとった食生活を心がけることが大切です。

ニキビは放置せずに皮膚科で治療

ニキビは重篤な病気ではありませんが、ニキビができると気分的にもすぐれず、日常生活に影響してきます。また、ニキビのケアが不十分だと「ニキビ痕」(色素沈着やクレーターなど)が残ってしまうこともあります。ニキビ痕が残って後悔しないためにも、ニキビ症状が現れたら放置せずに皮膚科にご相談ください。

ニキビの治療

ニキビの状態を判断し、外用薬と内服薬(抗生物質、ビタミン剤、漢方薬など)を組み合わせて開始します。ニキビ治療には、毛穴に作用する効果と、赤みを抑える抗生剤や抗炎症効果の両方が必要です。毛穴に作用する効果はニキビ予防にもなりますので、広く長く継続していくことがとても大切です。
保険診療で改善しきらないときにはケミカルピーリング、レーザー治療、またニキビ瘢痕に対する治療を行うこともあります。
やはり早い段階から予防と治療をおこない、ひどくしないことがとても大切です。
にきびができたら皮膚科を受診しましょう。

水虫

地球上にはカビ(真菌)がたくさん存在しており、私たち人間と共存しています。納豆菌や乳酸菌といった生活に役立つものばかりでなく、人間に病気を起こすカビもいます。水虫菌もその一つで、正式には白癬菌と呼ばれます。水虫では、この白癬菌が寄生して、手足の指の間や足の裏などの皮が剥けたり、水疱ができてジュクジュクすることがあります。踵のカサカサが水虫によることもあります。かゆみはないことも少なからずあり、自覚症状がないからと言って水虫がないとは言い切れません。足に指の間や足の裏をよく観察してみましょう。
診断にあたっては、顕微鏡を使って白癬菌がいるかどうかの検査を行います。

足白癬の種類

足白癬は趾間型、小水疱型、角質増殖型、爪白癬の4種類に分類されます。

趾間型

足指の間の皮膚がふやけたように白く濁り、痒くなるのが特徴です。水虫のなかで一番多く見受けられます。冬は症状が治まりますが、夏になると再発します。また、2次的に細菌感染を併発しやすいタイプです。

小水疱型

土踏まずや足の縁などに小さな水ぶくれが多発します。これも夏季に悪化しがちで、強い痒みを伴います。水ぶくれが破けると、皮が剥けます。

角質増殖型

足の裏から縁にかけての広い範囲で皮膚が厚くなり、冬のほうが乾燥でひび割れ等を起こしやすくなります。痒みを伴わないので「皮膚が厚くなっただけ」と勘違いし、水虫だと気づかないケースも少なくありません。

爪白癬

爪にできる水虫のことです。痒みは伴いませんが、爪が黄白色に変色したり、分厚くなったりもします。

水虫の治療

水虫の治療には一般に抗真菌薬が使われます。抗真菌薬には塗り薬と飲み薬があり、爪白癬のように爪の中に薬の成分が届きにくい難治性のものでは内服薬が選択されます。
外用薬の効果を発揮させるためには、とにかく薬をきちんと塗ることが大切です。特に入浴後は皮膚の角層(皮膚の一番外側に位置し、外界と接する部分)がふやけており、薬が浸み込みやすいので、お風呂上がりに塗るのが効果的です。
また、白癬菌を逃さないためにも、患部を中心に広めに塗ります。足底の場合には両足の足底全体、ゆびの間まで塗ります。さらに、患部の清潔、乾燥を心掛けることも大切です。角層の表面を清潔に保つことは、白癬菌の新たな進入を防止し、水虫の悪化を防ぎます。症状が消えても、足底の場合は約2か月、そのほかの部位は最低1ヶ月根気よく治療を続ける必要があります。自分で勝手に治ったと思い込んだりせず、必ず医師に判断してもらうことが肝心です。
内服薬は3~10ヶ月の服用が必要となり、経過を見ながら医師が効果を判断します。内服薬は時に肝機能障害や貧血などの副作用を招くことがあるため、血液検査で副作用をチェックしながら治療を進めます。

虫さされ

蚊、ダニ、ノミ、ブユ、ハチ、ケムシなどによる虫さされは、日常的によく起こります。症状の程度も、特に治療しなくても痒みを我慢していれば間もなく治まる程度のものから、すぐに毒抜きなどの処置が必要なものまで様々です。
虫さされとは、それぞれの虫が持っている物質が、さされたり咬まれたり、血を吸われたり、触れたり(ケムシなどの場合)した際に人間の皮膚内に注入されたり付着することによって、赤みや水ぶくれ、痒みや痛みなど様々な症状が起きている状態です。ハチにさされた後には、血圧の低下や意識の消失など、強いアレルギー反応(アナフィラキシーショック*)が起こることもあり、注意が必要です。

*アナフィラキシーショックについて
アナフィラキシーショックとは、ハチ毒や薬物、食物などが原因となって極めて短い時間のうちに激しいアレルギー反応が全身に生じ、血圧低下や呼吸困難、意識障害などが起こって生命の危険さえ伴うこともありうる状態を言います。
過去にアナフィラキシーショックを起こしたことがある方、または今後起こす危険性があると思われる方には、緊急時に備えてエピペン®(アドレナリン自己注射)を携帯することをお勧めします。エピペン®は、アナフィラキシーが現れたときに使用し、症状の進行を一時的に緩和してショックを防ぐための補助治療剤です。

虫さされによる症状

虫さされの皮膚症状には、一般的にかゆみが出ることが多く、さらに痛みも伴うことがあります。
痒みは、皮膚に注入された物質(唾液腺物質や毒成分)に対するアレルギー反応によって引き起こされます。このアレルギー反応には、虫にさされた直後から痒みや発赤などが現れる反応と、虫にさされてから1~2日後に痒み、発赤、ブツブツ、水ぶくれなどが現れる反応があります。これら反応の現れ方は、人によって異なることがあります。
また、かゆみをそのままに放っておくと、かゆみが数か月、もしくは数年続いてしまうことがあります。

虫さされに対する治療

皮膚科の治療では、ステロイド軟膏を短期間外用します。腫れや痒みが強い場合は、抗アレルギー薬、場合によってはステロイド薬の内服が必要になります。
突発的に強いかゆみが何度も出てくることが多いので、治るまで1日2回はかゆみがなくても時間を決めてきちんと外用することで長期化するのを防ぐことができるでしょう。
痒いからといって患部を掻き壊すと、とびひ(伝染性膿痂疹)や治りにくい痒疹(痒みのある硬くなった皮膚)となり、長期化することがありますので、皮膚科への受診をお勧めします。

帯状疱疹

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスの感染によって発症しますので、水痘(水ぼうそう)を経験した人にだけ起こります。水ぼうそうが治った後も、ウイルスは体内の神経節に潜んでおり、加齢や疲労、ストレスなどが引き金となってウイルスに対する抵抗力が低下すると、潜伏していたウイルスは再び活動を始めて増殖し、神経を傷つけながら皮膚に達し、帯状疱疹として発症するのです。
症状は初めピリピリ、チクチクした痛みや皮膚の違和感から始まり、数日から約1週間後その部分が赤い斑点になり、やがて帯状の水ぶくれになって、神経痛のような強い痛みを伴うようになります。水ぶくれは、粟粒大から小豆大くらいの大きさで、頭部から下肢までの一部、かつ左右どちらか片側に生じます。軽い発熱や頭痛、リンパ節の腫れがみられることもあります。体に帯状疱疹ができた場合は、体半分の肋骨に沿って水ぶくれや赤みが帯状にみられます。

早期の皮膚科受診が大切

帯状疱疹ウイルスによってどのくらい神経や皮膚が傷つけられるのかは早期に決まってしまいます。皮膚症状が出ないと診断が困難ですが、皮膚症状が出始めたら、早期に治療することが大切で、神経痛だけ残ったときに抗ウイルス剤を内服しても効果はありません。
痛みが始まってから水ぶくれが治るまでの期間は、通常は3週間~1ヶ月くらいです。痛みの多くは約1か月~3か月で消えますが、3か月以上ピリピリするようなしつこい痛みが残ることがあります。これを「帯状疱疹後神経痛」と言います。
皮膚症状の治癒までに時間がかかるほど、また発症時の痛みや皮膚症状が強いほど、帯状疱疹後神経痛に進みやすくなります。

帯状疱疹の治療と予防

帯状疱疹の治療にあたっては、ウイルスの増殖を阻止して治癒を早める抗ウイルス薬や対症療法として消炎鎮痛薬(痛み止め)が用いられます。痛みがひどい場合は、神経ブロック療法を行い痛みを感じる神経を一時的に麻痺させる方法もあります。抗ウイルス薬の飲み薬や点滴は、効果が現れるまでに通常2日くらいかかります。服用してすぐに効果が現れないからといって服薬量を勝手に増やしたり、途中でやめたりしないで、必ず医師の指示通りに服用してください。
なお、帯状疱疹が他人に帯状疱疹としてうつることは無いのですが、水ぼうそうにかかったことの無い乳幼児には水ぼうそうを発症させる可能性がありますので、帯状疱疹の患者様は小さな子どもとの接触を控えましょう。

帯状疱疹の予防

帯状疱疹は加齢、疲労、ストレスなどによって体の抵抗力が落ち、潜んでいたウイルスが活動し始めることで起こりますので、日ごろから栄養バランスのいい食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけ、心身の健康に気を配って体力を落とさないことが大切です。
帯状疱疹ワクチンを接種することもできます。帯状疱疹発症を抑える効果も期待でき、もしなったとしても重症化をふせぐ効果もみられます。
ワクチンは現在2種類ありますので、それぞれの特徴は診察時にお声掛けください。

爪の主な疾患

巻き爪

巻き爪とは、足爪の両端先端部が、大きく内側に湾曲した状態を言います。負担のかかりやすい足の親指の爪がこの状態になることが多く、爪を深く切り過ぎたり、先の細い窮屈な靴を長時間履き続けたりすることが原因で起こります。
巻き爪が進行すると、肉の部分に曲がった爪がどんどん食い込んでいき、次第に炎症や痛みを引き起こすようになります。これが陥入爪です。さらに、曲がった爪に巻き込まれた皮膚が化膿してしまい、歩くことが困難になるケースさえあります。
また、巻き爪の痛みから足をかばおうと、いつもとは違った歩き方をしてしまうために、足首や膝、腰にも負担がかかり、捻挫や膝痛、腰痛の原因になったりもします。
ですので、巻き爪は単に「見た目が悪くなってしまうだけのこと」などと安易に考えず、きちんと治療することが大切です。
当院では、保険治療の対象となる部分抜爪の手術も扱っておりますが、痛くないワイヤーや専用のクリップを使った巻き爪治療を行っております(保険外診療)。

クリップ治療

反発力をもった超弾性の巻き爪用クリップを使った治療法で、爪の先にこのクリップを取り付け、脱落を防ぐためにテープで固定するだけの簡単な方法です。装着したクリップが中央部分を支点に、爪の甲全体を持ち上げて症状を改善に導きます。患者様が自分で爪に装着できるので、手軽です。特に生活の制限はありません。巻き爪の程度が軽度の方や、爪が比較的薄い方の治療に向いています。

超弾性ワイヤーによる治療

超弾性ワイヤー(マチワイヤ)を使用し、湾曲した爪を徐々に広げ、矯正していく方法です。爪の両端に超弾性ワイヤーをひっかけて、爪の中央で固定するという方法です。
ワイヤーを装着した時点からほぼ無痛で、装着した当日から入浴も可能です。その他の日常生活上の制限もほとんどありません。

爪水虫

爪水虫は、白癬菌という真菌(カビ)の一種が爪の中に感染して、爪の肥厚(ひこう)、変色、変形を起こす疾患です。爪だけに水虫を起こすケースは少なく、ほとんどがそもそも足や手が水虫を患っており、そこから爪へと感染します。
爪水虫は足に多いのですが、手指の爪に生じることもあります。いろいろなタイプがありますが、最も多いのが爪の先端部が白色から黄色に濁って、爪の下の角質部分が厚くもろくなり、全体として爪が厚くなるタイプ(遠位爪下型)です。そのほかに爪の表面が白色になることもあり(表在型)、稀には爪の付け根に濁りが生じることもあります。
下記のような症状がある場合は、爪水虫が疑われますので、皮膚科を受診しましょう。

  • 爪周囲の皮膚が分厚くなって、ガサついている
  • 爪の一部が黄白色になり、濁っている
  • 爪が分厚くなり、ボロボロと剥がれ落ちる
爪水虫の検査

爪水虫の診断にあたっては、爪の中に白癬菌が棲み着いているかどうかを確認する必要があります。検査にあたっては、爪の濁った部分を少しだけ削り取って、直接顕微鏡で観察します。

爪水虫の治療法

爪水虫の治療には、主に医師が処方する飲み薬(抗真菌薬)が使われます。飲み薬は血流にのって爪まで運ばれ、体の中から白癬菌に作用して死滅させます。薬の服用期間は手の爪で約3ヶ月、足の爪で6~10ヶ月ほどです。新しい爪に生え替わりながら、ゆっくりと治っていきます。
ただし、抗真菌薬には併用できない薬がありますので、確認が必要です。
中には肝臓に負担がかかる場合がありますので、血液検査をしながら内服します。
すでに内服している薬があり併用が難しい場合や肝疾患を持っている場合には、塗り薬で治療します。内服と比較すると治癒率は落ちてしまいますが、塗り薬のみでも治癒することもありますので、根気よく続けていくことをお勧めいたします。当院では来院時に肥厚した爪を削ったり、密封療法をして塗り薬が浸透しやすくする工夫を行っています。

髪の毛の主な疾患

フケ症

フケ症は、細かく白い米ぬか(粃糠)のような角質片が頭皮から剥がれ落ちてくる皮膚疾患です。20代をピークに、40~50代になると自然に症状が治まってくることが多いようです。
症状としては、軽度から重度までありますが、軽度の場合は髪の毛を櫛で梳かした際などにパラパラと肩のあたりに落ちてくる程度です。しかし、重度になると、枕元も白くなり、部屋じゅうにフケが落ちてしまうほどになります。また痒みを伴うこともあり、痒いからと言って指先で頭皮を掻いて刺激すると、もっと多くのフケが落ちるようになってしまい、悪循環に陥ります。痒みがひどくなると、頭皮が赤く炎症を起こしたり、また脱毛を伴ったりするケースもあります。症状がひどいようなら、皮膚科を受診して、きちんと治療を受ける必要があります。

フケ症の原因

フケ症の原因としては、アンドロゲン(男性ホルモンの一種)が関係していると考えられています。また、自分の肌質に合わないシャンプーやリンスを使っており、それが頭皮に悪い影響を与えてフケが生じることもあります。シャンプーなどをしっかり洗い流し切れておらず、頭皮に残っていることが原因になることもあります。しかし、よく洗おうとしてゴシゴシ洗うことも大きく影響します。力は入れず、ゆっくり手を動かすように洗うとよいでしょう。

フケ症のセルフケア

フケ症のセルフケアとしては、毎日使用するシャンプーやリンスを見直すことが、まず大切です。ご自身の肌質に合っていないこともありますし、またすすぎ方が足りないようなら、きちんと洗い流すように留意します。また、ふけ用シャンプーとして薬用シャンプーも販売されています。
オイリー肌であるがためにフケが生じることもありますので、そうした方の場合には、脂分の多い食事を控えめにします。
フケ症はストレスも関係していますので、過労を避けて十分な睡眠を取り、運動や趣味などで気分転換を図るのも改善につながります。ほかに、髪の毛を洗った後にはよく乾かすことも忘れないでください。

皮膚科でのフケ症治療

フケ症の多くは、上記のようなセルフケアだけで改善するものですが、症状が強い場合やなかなか治まらない場合は、皮膚科で治療を受けましょう。皮膚科の治療では、ステロイドやケトコナゾールなどの外用薬がよく用いられます。痒みが強いようなら、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬が、また皮膚の新陳代謝を促進するためにはビタミンB2やビタミンB6などが用いられます。

円形脱毛症

円形脱毛症は、多くは自覚症状がなく頭髪に脱毛斑が生じる疾患です。いくつかできることもあり、ときに頭髪全体、眉毛、まつげ、全身の毛が抜けることもあります。
一般的に円形脱毛症の原因は精神的ストレスと言われていますが、多くはストレスと無関係に発症します。
脱毛範囲が少ない場合には自然と治ることもありますが、広範囲に抜けるケースでは数年もしくはそれ以上続く場合もあります。
当院では、一般的な塗り薬による治療に加え、免疫療法も行っております。
頭髪の半分以上が抜けている場合、半年以上生えてこない場合には、JACK阻害剤(オルミエント®)、JAC/TECファミリー阻害剤(リットフーロ®)の内服薬が新しく加わり、選択肢が増えています。